旅のお供

旅行中に読んだ本。忘れないうちに。

まずは「ねじまき鳥クロニクル」。久々の村上春樹だが、やっぱり彼の作品は面白いわ。移動中に一気に読み進めた。現実的には半径数百メートルの狭い範囲で起きていることなのに、とんでもなく広いというか深い空間で起きていることのように感じられ、面白かった。ちょっと間宮中尉の話はグロくて気持ち悪くなったけど。

しかし、なんで彼の作品に出てくる「僕」はいつもパスタやサンドウイッチを作っているんだろう？彼的にそれがカッコいいと思っているのか？それとも「社会にどっぷり浸からない自由な雰囲気と孤独感を持ち合わせたクールな男」のモチーフとしてその作業が必要なのか？うーん、不思議だ。

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

２冊目は小池真理子先生の「欲望」。これも面白かった。いろんな愛し方があるんだなと。登場人物の大半が屈折した愛し方しかできなくて、結局死を選ぶという切ない話なんだが、このストーリーを三島由紀夫の小説にリンクさせてるところにセンスを感じた。特に類子が「豊饒の海」を朗読する最後のシーンは素敵だった。

欲望 (新潮文庫)

あと、美輪様の本が読みかけ。それはまた追々。