タンゴ・冬の終わりに

chelseagirl6132006-11-17


チケットを取り損ね諦めていたお芝居を先輩のお誘いにより急遽見れることになった。わ〜い♪ということで、仕事後足早にシアターコクーンに向かった。


正直、蜷川幸雄の作品は1回見ただけでは理解できんのよね。今回もしかり。孔雀が何を意味するのか?とか、空想シーンにでてくるキャラは何だ?とか、盛(堤真一)が精神を病んだの根底にあるものは?とか、舞台となっている北国の風土や幼少期のトラウマが盛に与えたものは?とか、もういろいろ…。完全にキャパオーバーだった。


よって、途中からは開き直って、堤真一のカッコ良さを満喫することに専念した。精神を侵されていく役者「盛」の興奮と憂鬱を上手く演じ分けていたと思う。役を演じる時、すなわち役者である自分の存在が、等身大の自分自身の存在を飲み込んでいく感じが良かった。演じることから逃れられなくなっていくのが、繰り返される「役者はキチガイにならないために演じるのだ」という言葉からもヒシヒシと伝わってきた。まぁ結局キチガイになっちゃうんだけどねぇ…。


とまぁ、終わってみればあっという間の3時間。いいもの見せて頂いた。1つだけ欲を言えば、もう少しキレのあるタンゴが見たかった。お互いの存在を確かめながらってシュチュエーションは分かるが、ちょっとふわぁ〜としてるなぁと。もっとシャープなターンとか脚裁きで、息を呑むような激しさがあれば、ラストのシーンにもっと引きずり込まれただろうな。と、思った。