太陽

chelseagirl6132006-08-23


なんかスゴイ映画をみちゃったぞーという感じ。
ロシア人監督が撮った昭和天皇の話で、よく日本で公開できたなと思った。天皇ヒロヒトイッセー尾形、皇后:桃井かおり侍従長佐野史郎という絶妙のキャスティングにもそそられる一本。

1945年8月、待避壕で暮らしていた昭和天皇ヒロヒトは、自分を神と崇める側近たちに孤独を覚えていた。唯一の安らぎは生物標本を眺める時だけで、戦争終結に苦悩する天皇は日本が焦土と化す悪夢にうなされる。そして、連合国占領軍総司令官マッカーサーとの会談の日が訪れる。

今まで見たこともないような映画で、重厚かつ繊細な空気がそこには流れていた。自分が神であるということに疑問を抱きながらも、戦争を止められず、孤独に苦悩するヒロヒトの姿に人間らしさを見たような気がした。口をモゴモゴ動かす仕草が私の記憶する昭和天皇にぴったりとハマリ、妙にリアルだった。


また登場時間は僅かであったものの、桃井かおりの存在感は凄かった。「人間宣言」をしたヒロヒトに対し、やさしく頭をなで「あっそ。そうすると思ってましたよ。」とさらりと全てを受け止める器の大きさに感動。


全体として無機質なようで人間臭く、別世界のようで普通の家庭を垣間見ているような非常に不思議な感覚を味わえる映画だった。もう1回見てもいいかも。