トランス・アメリカ

chelseagirl6132006-08-11


2週間位前に見た映画。その日は平日の昼間であるにもかかわらず、立ち見だった。それでも見て良かったと思える、素晴らしい映画だった。性同一性障害という重いテーマを核にしながらも、暗くなり過ぎず、笑いあり、感動ありの珠玉のロードムービー

男性であることに違和感を持つブリー(フェリシティ・ハフマン)は、肉体的にも女性になるため最後の手術を控えていた。そんな“彼女”の前に、突然トピー(ケヴィン・ゼガーズ)という少年が出現。彼はブリーが男だったころに出来た息子であることが判明するが、女性になりたい“彼女”は彼を養父の元へ送り返そうとする……。


この映画で最も賞賛すべきは役者。特にブリー役のフェリシティ・ハフマンの演技はお見事。冷静に考えて「女性になりたい、パッとしない中年男」を女優さんが演じるんだからスゴイ。そもそも綺麗な人がわざと不細工になるだけでも大変なのに、その上、気持ち的には「女性以上に女性でありたい」訳でしょ。すっごい難しいだろうなって思った。しかし、できるもんなんだな。声の出し方から細かい仕草まで「より女らしいオヤジ」感がとてもよく出ていた。時々でてしまうガニマタ歩きや、恥ずかしそうに立ちションをする姿もお茶目で良かった。


あと、ケヴィン・ゼガーズはただただ美しい。彼の姿(しかもサービスし過ぎって位肌の露出が多い)を見るだけでも、この映画を見る価値はあると思う。リヴァー・フェニックスの再来とよく言われているが、私としては彼のが好きだな。ちょっと影があってクールなんだけど、とてもキュートな笑顔を見せる彼の演技にメロメロだった。


とにかく、あっという間の100分。全編通して愛をじわーんと感じる、温かい映画だった。