メタルマクベス

chelseagirl6132006-05-23


青山劇場でメタルマクベスを見た。正直、かなり長めの芝居だが、時間の長さをから飽きを感じたり、間延びした感じはなく素直に楽しめた。欲を言うとすれば、内野聖陽の身長があと5㎝高かったら・・・ってことと、メタルメタルしすぎて、せっかくのいい台詞が若干聞き取りにくかったこと位だろうか。


しかし、クドカンの脚本はホントよく出来ていると思った。「マクベス」の芯の部分はそのままに、ユーモアを織り交ぜ、分かりやすい時代背景に置き換えるという業はこの人の右に出る者はいないと思う。ドラマ「タイガー&ドラゴン」みたいな感じ。今回は80年代と近未来を行ったり来たりするのだが、マクベスに予言する魔女=トレーナーを着たおかっぱ頭のおばちゃんという設定が絶妙だったと思う。また、「メタル」に相応しく、登場人物や国の名前に楽器のそれがあてられているのもお洒落だ。何より「マクベス」の名台詞をヘビメタの曲にしてしまうクドカンの独特の感性にはお手上げだ。原作の要旨をしっかり掴んでいて、かつ豊かな知識を想像力があってこそ出来る業だろうと思った。


役者に関して言えば、グレコ役の北村有起哉がかなり良かった。3年位前に始めて舞台で彼を見た時は、なんか「ぬぼっ」とした感じの印象を受けたが、今回は渋く、シャープにキメてくれてる。妻子を失って、ランダムスターに復讐を誓うシーンは男らしさ満載で特にお気に入り。あと、森山未來のダンスはヤバイ。すごくパワーを感じた。今後の活動が楽しみである。