美しき運命の傷痕

chelseagirl6132006-05-05


かもめ食堂」人気に押され、10:00からの1日1上映のみになってしまった本作。かもめファンとしては、嬉しいような、悲しいような・・・。仕方なく早起きしてテアトル銀座へ向かった。

22年前に父親を失い、それぞれに問題を抱えている3姉妹。長女ソフィ(エマニュエル・ベアール)は夫の浮気を疑い、恋人のいない次女セリーヌカリン・ヴィアール)は母親(キャロル・ブーケ)の世話を引き受け、三女アンヌ(マリー・ジラン)は大学教授と不倫を続けていた。そんなある日、22年前の事件の真相が明らかになる。

かなり面白かった。こういう映画大好き。一見、ばらばらに見えるストーリーが、何かにひきつけられる様にして、パズルのようにぴったりとはまっていくのがいい。その何かっていうのが、おそらく「運命」ってやつなんだろうと思った。ちなみに女優陣も抜群に素晴らしく(ルックス的にも演技も)、それぞれが置かれた環境の中で苦しみ、もがきながらも強く生きようとしている姿を好演していた。特にエマニュエル・ベアールが、夫の不倫相手を舐めるように見つめるシーンは嫉妬深さ満点でよかった。


ちなみにこの映画、「トリコロール」でお馴染みのキェシロフスキが、ダンテの神曲を原案に書き上げた三部作「天国」「地獄」「煉獄」の「地獄」篇を映画化したもの。監督はダニス・タノヴィッチ。