労働者M
久々にケラリーノ・サンドロヴィッチの凄さを見た気がする。「東京のSF」と「ハルディン・ホテル」と「カメレオンズ・リップ」を足して3で割らない感じ。ここ数本のナイロンの作品は、役者の個性でなんとかもってるような感じであったが、今回は全体として見た時におもしろさが伝わってくる、素晴らしい群像劇だった。
しかも、おもしろさが「爆笑」じゃなくて「ニヤリ」や「くすくす」であるのがよい。同じ台詞を全く違うシュチュエーションで繰り返すことによって生まれる笑いとか、台詞の欠損が作る微妙な間とか、パズルのような場面を頭の中で上手く繋げられた時の自己満足の「ニヤリ」とか。
休憩含め3時間半の長丁場はちょっと腰にはキツかったが、もう1回見てもいいかも。ちなみに、堤真一、小泉今日子、松尾スズキという有名どころがメインキャストではあるが、犬山イヌコをはじめとするその他のキャストの方が光ってたな。
自分の目標としているもの、信じているものが実は存在しないと分かったら、人は笑うしかないのか・・・?