空中ブランコ

久しぶりに村上春樹以外の本を読んだ。なんと読み易いことか。すらすらと楽しく読み進める久々の感覚に新鮮さを感じる。


さて本文。この本の面白さの大半は精神科医「伊良部」のキャラ設定にあると思った。巨漢で無邪気で無神経。真実を見抜きながら、毎回破天荒なやり方で患者達を癒していく。そんな彼の体型、仕草、表情が絶妙の言い回しで表現されていた。


ゆさゆさと肉の揺れる感じや、「ぐふふ」という笑い声、権力者のズラを持ち上げる際の「じゃじゃーん」とおどける姿等、伊良部を想像するのに必要なキーワードが随所に散りばめられていてた。ウザイと愛嬌の狭間に成り立っているキャラなんだな。「プレスリー並みに太ったフレディ・マーキュリー」には笑った。