ダンス・ダンス・ダンス
旅行中に読んだ本。自分探しの旅をするといった内容だったので、旅のお供にぴったりだった。相変わらず、いまいちよく分からないところは多かったが、現実を見つめる作業を「ステップを踏む」と表現するセンスはいいと思った。
ところで皆さんは「悪くない」という言葉をよく使いますか?この本の中では主人公が食事や部屋、車のセンスを評価する際によく口にする。が、どうもこの言葉、ひっかかる。「悪くない」んだから、+か−どちらの言葉かといえばプラスなんだろうけど、限りなくマイナスのイメージが強い。「悪くない」けど「何かが足りない」とでも言いた気な不満を感じる。そして「評価されてる」感が強く、上から物を言われている印象をうける。もし、自分が作った料理に対して「悪くない」って言われたら、きっと腹立つだろうな。日本語って面白い。
で、何が言いたいかというと、この一言こそが主人公自身をよく表現している言葉なのではないかと。表面上は満足していても、どこか満たされない空虚な感じがぴったりだなと思った。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/15
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