最後の夜

後ろ髪をひかれる思いでマンリーを後にし、シドニーの街に戻る。小腹が減ったので、ウルムルーのハリーズカフェにミートパイを食べに行った。一番人気の「タイガー」を注文すると、今までのミートパイの概念をぶち壊すものが出てきた。多分、パイの中身はビーフ。大きい肉の塊がゴロゴロ入っていた。それをグレービーソースに絡めて食べるとバカウマ。マッシュポテトとグリーンピースのマッシュでソースの濃さを調節して食べると、何種類もの味が楽しめた。しかし、ボリュームありすぎである。おやつなんてもんじゃない。主食だ。よって、ラストナイトのディナーはこのパイとなった。しかも食べきれず…。う〜満腹。


腹ごなしに公園内をフラフラ散歩していると、NSW州立美術館を発見したので寄ってみた。広い展示スペースには様々な地域、時代の作品が幅広く展示されていた。まだ絵の具の匂いがする出来立てほやほやの作品なんかもあった。そんなにメジャーな絵はないけど、広大な自然を描いた絵、躍動感溢れる絵、土の色が綺麗な絵等、オーストラリアを感じる絵が多かった。


なーんて思っていると、無造作ににピカソの絵があったりして笑った。そして、意外にも歌川広重東海道五十三次が多数展示されていてビックリした。こんな所で出会うとは…。日本美術の繊細さをいつも以上に感じられたのは収穫だった。これをタダで見れるなんて素晴らしい。こういうことに公のお金を使うってセンスあるわ。しかも夏は夜は9時まで営業。さらに「広い公園の夜道は暗くて怖いなぁ」と帰り道を心配してたら、マイクロバスでホテルまで送ってくれた。もちろん無料。ホントいい所だなぁと思った。シドニー万歳。