イヌの日

chelseagirl6132006-11-20


今年見た中で1番面白かった。長塚圭史はタダモノじゃないね。よく天才と変態は紙一重なんていうけど、まさに彼はそれだと思う。というのも、誰もが持っているんだけど、ちょっと人には言えないような欲望・理想をさらっと具体化することができるからだ。


今回も地下の防空壕に人が4人も監禁されている。しかも、十数年に亘って…。更に監禁した男の母はそれを知りながら放置、自分も気に入らない男がいると痛めつけて穴に埋める。また防空壕内で獲れる野菜は覚醒作用があるように思え、薬として売りに出そうとする…。


こういった恐ろしい設定なのだが、いずれも「ある女の子が好きだったから」「息子に愛されたかったから」という非常にシンプルでピュアな動機に基づいて行われたことだと分かる作りになっているので、一概に「あり得ない」と否定的に受け取るのではなく、「かなり危ないけど、なんかちょっとそういう気持ちって分かるかも」と、微妙に心の奥を擽られたような不思議な感じになるのだ。


このギリギリの感覚が非常に私好み。存分に楽しませて頂いた。