ありがとうヒデ

中田英寿が引退する。このニュースを知ったのは一昨日の夜のことだった。居間でゴロゴロしながらテレビを見ていたら、ニュース速報でこの内容が報じられた。率直な感想は、月並みだが「びっくり。ちと早いな。ヒデらしいな。」である。ニュース速報で報じられたってことに対する驚きも大きかったが、とりあえずびっくりした。

そして「Ｗ杯は今回で最後」ではなく「現役を引退する」ということを知り、ちょっと早いなと感じた。果たしてヒデのピークが何処にあったかは素人の私には分からないが、少なくとも私はまだまだ彼のプレイを見たかった。でも、限界前に余力を残して、みんなに惜しまれつつ引退するってのも、いっぱいいっぱいな所を人に見せないヒデらしいなと思った。

最後に、Ｗ杯前にこの発表をしなかったということに対しても彼らしいと思った。メンタル面の弱さやチームの結束のなさ等が度々指摘されていた今回の日本代表。もし、このことをジダンのように事前に発表していたら、「ヒデの為に頑張ろう」と多少はチームのモチベーションを上げることができたかもしれない。それは無理でもヒデが何を伝えようとしているのか、理解しようとする空気が生まれたかもしれない。

しかし、彼は個人の事情をチームの士気を高める道具として使うことはしなかった。最後まで自分なりのやり方で伝える努力をする道を選んだようだ。自分の力を信じて、自分の考えに誇りをもっていた彼ならではの選択だなと思った。決して顔は好みじゃないけど、ちょっと言動が微妙と感じることもあるけど、そんな堂々とした生き方的な部分では彼はカッコいいと思える選手だった。きっとこれからも違うフィールドで活躍してくれることでしょう。ひとまず、ありがとう、お疲れ様。