理想の芝居小屋

香川でもう一ヶ所行きたかった所は旧金比羅大芝居「金丸座」。数年前に見た映画「阿修羅城の瞳」で使われていて、とても印象的な小屋だったので1度は来てみたいと思っていた場所である。


こちらの小屋、何がスゴイって、150年以上前に建てられて今でも芝居小屋としてきちんと使われていること。廻り舞台、セリ、すっぽんと呼ばれる舞台装置が木造ながらも立派に機能しているのだ。それどころか、花道で見えを切る際の足を踏み鳴らす音や、2階の明り窓を屋根の上から開け閉めすることで天然光を取り入れる照明は味があってよりリアルな演出をしているようだ。


10分程度の説明の後、かなり自由に内部を見せて頂けるたので、奈落や楽屋など興味深く拝見。2階の客席に座ってぼけっとしていると、あまりに居心地がよくて江戸時代にタイムスリップしそうだった。ここまでくると、小屋自体が芸術作品だな。小屋の存在を含めて1つの演目が完成されるんだろうなと思う。1回ここでやる歌舞伎を生で見てみたい。