琴春

chelseagirl6132009-03-15


訳あって前売り券を手放したため、早起きして列に並び、やっとの思いで当日券をGET。念願の「春琴」を見ることができた。


サイモン・マクバーニー演出作品はエレフェント・バニッシュ(村上春樹原作)以来2度目。都会の雑踏から一気に「静」の空間へ移動させる手法など、舞台を見始めてすぐに「あーこんな感じ」と彼の演出であることを認識できた。


特に今回は「人の動き」で全ての情景が作りだされており、緻密に計算されつくされた舞台だな〜と感心した。春琴と佐助が雲雀を空へ放つシーンはとても美しかった。


そして深津絵里の演技は本当に素晴らしかった。幼少期の春琴は人形が使われ、声のみを演じ、あるシーンを境に本人が演じることになるのだが、本当に春琴って人の霊が乗り移ってるんじゃなかろうか位の気迫で。涙でました。素敵な女優さんです。


とにかく1時間並んで見た価値のある芝居だった。原作にかなり忠実に作られていたので、谷崎潤一郎の美的感覚をそのまま感じることができた。無償の愛ってのは偉大だ。