どん底

chelseagirl6132008-04-14


久々にケラリーノ・サンドロヴィッチさんのお芝居を見た。素直に面白かった。


この作品、言わずと知れたゴーリキー作:ロシア文学の金字塔。原作や映画化されたものは政治的な面が色濃くでていたようだが、今回はケラさんらしく、登場人物のキャラクターや、人と人との関わりにスポットライトを当てた作りになっていたので、予備知識がない私でも、楽しんでみることができた。


特に終盤、話が急展開していくところは見応えがあった。ちょっとの幸せと大きな不幸が次々にやってきて、転がり落ちるようにして「どん底」に突き落とされるわけであるが、その起伏とテンポがスリリングでよかった。


どん底」。それは貧困という物質的に厳しい状況だけを指すのではなく、「何を信じればいいのか」「どこに希望を見出せばいいのか」という出口のない闇を心に抱えた状況をさすのだと思い知った。それにしても緒川たまきは可愛いかった。